「英雄の代償」感想。
盟友BK/AterさんがPSO2で小説を書いたということで、その感想をしたためたいと思います。
この刃渡まつり、自身が小説を書く身であることもあり、友の書いた小説に感想も書かずに放置することなどできません。
そのためだけに、一度筆を擱いたにも関わらず、このブログで再び筆を取ることにしました。
今回だけですよ?
作品はこちら。
⇒法撃と双刃剣 「英雄の代償」
作者さんの弁によると、「続きは書くかどうかわからない」とのこと。
……全力で書くべきかどうか迷ったんですが、最初で最後のつもりで、全力でやらせていただきます。
前置きが長くなってしまって恐縮なんですが、参考までに一つお話ししておきますと。
私は昔、pixivで連載されていた小説に感想を書いて、連載を止めたことがあります。
これは、私が酷評したからというわけではないです。
酷評はしてません。
……私の意見を考慮した結果、製作が遅れたということだと思います。
今回の作品の作者さんは、もちろん私が良く存じている方で、その方の人柄を考えるに、私の感想で製作が遅れるということにはならないと思います。
だけど、私が全力を出す以上、それなりに腹は括ってください。
少しでも「影響されたくない」と思うのならば、読まないでください。
それでは、始めましょう。
感じたことを、感じたままに書いていくことにします。
PSO2を題材にした小説、即ち、二次創作という位置づけでいいと思います。
私もこれはやったことがあります。
このブログでも掲載してますね。
それ故に、作者的な目線になることも多々あるかと思いますが、その辺はご容赦くださいませ。
ヒーロー。
このほど、EP5で新たに実装されたクラスです。
これまでのクラスと違い、公式に「上級職」として位置付けられているだけあって、かなり強いと聞き及んでいます。
そのヒーローを、作者さん自身の独自の視点から見た作品と言えるでしょう。
打撃・射撃・法撃、その全てを駆使するクラス。
当ブログでも「魔法戦士」を扱っているために、軽視できないものがあります。
もっとも、私は既に引退した身です。
私が考えたところでどうなるものではないのですが、しかし、気にはなりますよね。
作者さんのプレイヤーキャラクターも魔法戦士です。
それも、生粋で純血の。
そんな作者さんの目から見たヒーローというクラスは、どんなものなんでしょうか。
まさに、それを垣間見ることのできる作品になっていると言えるでしょう。
私がまず感じたことは、命です。
ゲームっていうのは、良くも悪くもゲームに過ぎません。
例えばの話、ゲームで自分が操るプレイヤーキャラクターが攻撃を受けたとして、その身体的痛みをプレイヤーが感じることがあるでしょうか。
キャラクターのHPがゼロになったとして、プレイヤーが死ぬことがあるでしょうか。
もちろん、ありません。
もしかしたら未来においては、キャラクターの痛みをプレイヤーにフィードバックするゲームが生まれるかもしれませんが、現状はありません。
需要もないでしょう。
故に、ゲームの中でのプレイヤーキャラの命は軽視される傾向にあります。
と言うか、そもそもプレイヤーキャラクターに私達と同じ命があるでしょうか。
キャラクターを愛する人からすれば少々寂しい言い回しになりますが、残念ながら、これはありません。
命とは、一度失われれば二度と戻らないもののことを言います。
HPがゼロになることを、そのまま「死」と位置付けるゲームも最近では減りましたが、しかし、HPゼロが死でない限り、プレイヤーキャラにはそもそも死が存在しません。
私の個人的な思想ではありますが、生と死は分かつことのできないものです。
生なきモノに死はあり得ず、死なきモノに生はあり得ません。
即ち、死なきプレイヤーキャラクターに生はないと言えます。
もちろん、死の対義語としての生であり、別の観点からすればゲームのプレイヤーキャラに生を定義することもできますが、作品からは離れるのでやめておきましょう。
単純な話、プレイヤーキャラは決して死なないんです。
ドラクエなんかは「死んでしまうとは情けない」という有名なセリフからもわかるように、HPゼロ=死として明確に位置付けられていました。
が、この死は擬似的なものに過ぎず、教会に行って金を払えば生き返りますね。
二度と動かない、という意味での死は、ありません。
さてさて。
PSO2において、育成の主流は火力特化です。
それは、今も昔も大きく変わるものではないでしょう。
引退した私が言っても説得力はないでしょうが、火力はPSO2のシステムの根幹を成す要素の一つです。
火力重視が主流になるのは当たり前の話で、それはゲームの仕様に則っていると言っても過言ではないでしょう。
ですが、火力も防御も全てを最強クラスにできるほど、PSO2はつまらないゲームではありません。
火力を上げるためにはそれ以外の何かを犠牲にしたりします。
簡単な話、スキルの数やスキルレベルに比して、獲得できるSPは必ず少ないという話でもあります。
スキルの話は一部でしかないですね。
装備品のスロットでも同じです。
空けられるスロットの数には限度があります。
攻撃も防御も、打撃も射撃も法撃も、全てを最強にはできません。
故に、何かを取れば何かを捨てざるを得ないわけです。
その取捨選択にこそ、キャラクター育成の面白みと醍醐味があると言ってもいいでしょう。
そしてこの取捨選択こそが、本作品「英雄の代償」の肝になる要素でもありますね。
命の話に戻りましょう。
火力に特化するということは、他の何かを捨てているということでもあります。
全てを得ることはできません。
何か一つを取れば、何かを捨てることになります。
多くのプレイヤーは、防御を捨てますね。
それが、PSO2における火力特化の主たる育成です。
ゲームとしての話をすれば、PSO2の戦闘はアクション性が強いですね。
それ故に、プレイヤーの操作次第では、敵の攻撃を一切喰らわずに一方的に倒すことも理論上は可能です。
もしそれができるのならば、防御は不要ということになります。
ですが、それはあくまでもゲームの話です。
ゲームとは、ゲームという世界とその住人であるプレイヤーキャラ、そして、それをゲーム内世界の外側から操るプレイヤーの存在によって成り立ちますね。
では、そのゲームを小説にしようとしたらどうなりますか。
ゲーム内世界を小説として描く時、多くの場合、そこにキャラクターを操るプレイヤーの存在は無視されます。
キャラクターがどんなに傷ついても、場合によっては死亡してしまったとしても、痛くもかゆくもないプレイヤーの存在は無視されます。
そこには、虚構とは言え、キャラクターを操るプレイヤーが存在しない、キャラクターが自らの意思で考え、判断し、行動する一人の人間がいるんですね。
プレイヤーありきのキャラクターの命と、プレイヤーを前提としない小説のキャラクターの命。
その違い、理解していただけるでしょうか。
プレイヤーを前提としたプレイヤーキャラクターの命は、プレイヤーと共にあります。
喩え話をします。
あくまで喩え話であり、喩え話であると同時に、極端な例であることを先に断っておきます。
貴方のフレが、病気や事故で突然亡くなることがあったとしたら、ゲームのキャラのHP数値に関わらず、そのキャラクターは死亡したと同義になります。
しかし、プレイヤーが健在である限り、喩え引退したとしても、そのキャラクターが死ぬことはあり得ません。
しかし、小説のキャラクターとしてゲームからもプレイヤーからも切り離されたキャラクターであるならば、プレイヤーの生死にかかわらず、小説が存在する限り小説キャラクターの命は存在し続けます。
小説のキャラクターの生死は、小説のシナリオが決めます。
少なくとも、プレイヤーの生死には関わりません。
これが、プレイヤーキャラの命と小説キャラの命の違いです。
ここで理解していただきたいことは、小説での命とゲームでの命が性質を異にするということ。
ゲームでは、プレイヤーが健在である限り不死身のプレイヤーキャラですが、小説の中に入ればそうはいません。
プレイヤーの生死が関わらないので、シナリオ次第では死亡します。
ゲームでは命が軽くても、小説では軽くはならない。
そういうことですね。
私が何の話をしているかわかりますか?
持論を展開しているように見えますか?
全て、作品を読んで感じたことですよ?
魔法戦士とは何か。
そんなことも考えます。
もちろん、その思考になるのは、私だからかもしれませんけど。
プレイヤーの視点で言えば、「どうして魔法戦士をやるのか」という問いに対しては、「かっこいいから」「面白いから」という答になります。
火力特化が主流の中で、なぜ逆風の中、茨の道でもある魔法戦士を選ぶのか。
それを小説として物語の中に落とし込もうとした時、「かっこいいから」「面白いから」では、物語として成立させるのが非常に難しくなります。
その理由もまた、先述した「ゲームでの命」と「小説での命」の性質の違いに起因します。
小説の中で生きる時、「どうして魔法戦士なのか」に対する答えの一つに、「命」があると私は思います。
そして、作品の中から、それを強く感じたんです。
主人公のアーテルは、魔法戦士であることに誇りを持っています。
その誇りと矜持の背景に、命があると思います。
友の命を護るため。チームメンバーを護るため。
火力特化だけでは護り切れない命がある。
護り切れない状況が存在し得る。
「火力特化は、敵の情報が揃っている時には強力だが、防御が薄いために未知の敵やイレギュラーに弱い」
その旨、作中で言及されていますね。
これは私もその通りだと思います。
喰らわなければどうということもないでしょうが、未知の敵からの未知の攻撃を一切喰らうことなく一方的に殴れる戦士(アークス)は稀でしょう。
だからこそ、護るために魔法戦士が必要なんだと。
その必要性を感じたからこそ、アークス上層部は「マルチ化」を推進したんだと。
まあ、底本の中にそこまでの言及はありませんけど。
この辺は私の想像であり妄想ですね。
だからね、アーテルくんはとてもとても、仲間思いで命を尊ぶ人なんだと感じます。
ゲーム的な理由はともかく、少なくとも彼は、小説の中では、それ故に魔法戦士という道を選んだと読むことができますから。
主人公の魅力を構成するに充分な要素であり、描写と言えますね。
そうやって、誰よりも人の命を大切に思い、そしてそれを護ろうとするからこそ、虚空機関のやり方と、その成果に疑念を抱いた。
おそらく、アーテルくんに「敵を倒すこと」と「生き延びること」どちらが大事かと問えば、「生き延びること」と答えるでしょう。
もしも、虚空機関の造り出したヒーローが、戦闘以前に大きなリスクをはらんでいるとしたら。
「第三世代のアークスに何をした?」
というセリフからも、そんなことを感じます。
もし、アーテルの危惧したように、ヒーローになるに際してアークスが身体をいじられているのだとしたら、これは戦闘以前の問題です。
虚空機関がやろうとしていることは、アークスの命を無視して戦闘マシンとして戦わせ、使い捨てる所業となりえます。
敵を倒すことを最上とするならば、これはやむを得ない犠牲でしょう。
ですが、「敵の殲滅」より「生き延びること」を重視するのならば、これは本末転倒も甚だしい。
だからアーテルは、虚空機関と彼らが造り出したヒーローに疑問と不信を抱いた。
誰よりも、命を重んじるから。
命を重んじるが故に、魔法戦士を選んだ彼だから。
作中にはね、そういう「命を重んじるアーテル」の姿が、そこかしこにあるんです。
何度もやり直せるゲームの命じゃない、たった一つしかない命を護ろうとするアーテルという青年の姿が、作品の中に強く強く息づいていると感じます。
私以外にも、この作品を読んでくれた人はいるでしょう。
願わくは、この作品から、そんなアーテルの魅力と、そして「命」というものを感じて欲しいなと思います。
そして、もう一つ、大事なこと。
この作品が、私にそれだけのことを感じさせ考えさせるだけの内容になっているということ。
……少々、身内びいきで好意的で主観的な解釈かもしれませんけどね。
ま、大好きな友達の作品です。
これくらいの贔屓は大目に見てくださいね。
ここで終わらせるなら、それは私の全力とは言えません。
さあて、お待ちかねの批評タイムですよ。
ここからは、より作者的な視点から話したいと思います。
まずね、一番良いと思ったのは、冒頭。
導入が素晴らしい。
引用しますね。
「アーテル君、貴方の戦闘におけるフォトンの流れのデータが欲しい。」
台詞を導入にするっていうのは、そんなに真新しい手法ではないです。
私が感銘を受けたのは、導入の方法ではないです。
台詞を導入として用いることを考えた時、この台詞を持ってきたのは物凄く巧いんです。
まず、台詞のトップに主人公の名前が来てる。
何よりもまず、最重要人物の名前を読者の頭に叩き込むっていうのは、その後の展開を考えても非常に効果的です。
もちろん、冒頭であるために、この台詞を見ただけでは「アーテル」が誰の名前なのかはわかりません。
でも読者としては「アーテルって誰だろう?」って必ず思います。
こう思わせること自体が重要で、効果的ですね。
読み進めることで「アーテル」が主人公の名前であることはすぐにわかります。
ですが、このような「誰だろう?」が最初にあることで、興味を引くし、その結果、それが主人公の名前として強く印象づけられます。
本作品では該当しませんが、この手法は、作中に登場人物が多くなる場合に、より大きな効果を発揮します。
この作品では「アーテル」以外に名前のあるキャラクターがほとんど登場しませんが、他にも仲間が名前付きで登場する時には「主人公の名前だけを強調する」という意味で効果が大きいです。
興味を引く、という点では名前だけではないですね。
「戦闘データが欲しい」という文言も、読者の興味を引きやすいでしょう。
台詞自体が簡潔で必要最小限であることも、文章的には◎。
まあ、私から見れば、「フォトンの流れ」は削ってもいいのかなという気がします。
「アーテル君、貴方の戦闘データが欲しい」
ぶっちゃけ、ここまで削っても同様の効果は得られます。
「フォトンの流れ」が後に重要な意味を持ってくるなら必要ですが、少なくともテキストの範囲内ではそこまで重要なものではないです。
でもまあ、この辺は趣味と好みの範囲ですね。
削った方が良いとまでは思いません。
次。
全体的な構成について。
これも巧いんだな。
設定部分も込みで、よくできてると感じます。
まず、冒頭の台詞で掴みますよね。
「アーテル」って誰だろう?
戦闘データって何?
どうして欲しいの?
データ取ってどうするの?
どうしてアーテルのデータが必要なの?
冒頭の台詞だけでその程度の疑問は沸きます。
構成と展開を見ると、これらの疑問が一つずつじっくり解消されていく構成になってますね。
私はこういうのはしっかり考えてガッチリ組み立てないとできないんだけど、センスでこれができるなら凄いと思う。
くどいようだけど、冒頭の台詞の効果って、こういうところにも出てるのね。
大袈裟に聞こえるかもしれないけど、あれはそれだけ優れた手法だし、作品全体に影響があると言ってもいい。
で、疑問を提示しておいてそれを一つ一つ解明していく展開だから、飽きないんだ。
ぐいぐい続きを読みたくなる。
読者をね、最後まで引っ張るだけの力があるってこと。
こういうところは、読んでて本当に楽しかった。心地よささえある。
構成の仕方としては伝統的ですらある手法なんだけど、それ故の安定感は確か。
これに少し関連するから触れておきますね。
そういう構成ではあるんだけど、タイトルにもなっている「代償」が最後まで曖昧だったかなという印象は受けます。
タイトルに起用するくらいだし、実際「代償」はこの作品の肝にもなっていると思います。
続きモノとして認識するなら、ここで明言されなくてもいいと思うけど、続きがあるかどうかわからず、単品で評価するなら、もう少し明かしてほしかったってのが正直な所。
もちろん、言及されてはいる。何度も。
「防御」っていうのがその中の代表例だと思うんだけど、ただそれだけにしては曖昧なまま「代償」を強調しすぎてる。
強調がとても強いので、「防御」以外にも、もしかしたら「原初のヒーロー」であるアーテルにしかわからない何かがあるのかも?って私は感じた。
他にも何か、もっと重大なものがあるかもって思ってしまったから、「代償」を曖昧と感じたわけですね。
もし作者さんとしてそこまでの「何か」を想定していないのであれば、「代償」が何であるかもう少し明確にするか、ないしは強調を少し弱めるとバランスが良くなると思います。
もし想定しているのであれば、続きを書きましょうw
だけどー。
ここは、私が想像するような「防御」とかの代償だけでなく、「アーテルだからこそ気付くようなもっと大きくて致命的な代償」があったらいいなと期待してしまう。
もし続くのなら、そこを期待して読むね、私は。
まあ、こういうこと書いちゃうから、連載止まっちゃうなんてことになるんですけどね。
いいと思ったところ、他にも言っていくよ。
研究所周辺の情景描写が凄く良かった。
……いかん、だんだん言葉が砕けてきた。
まあいいか。
ゲーム内の施設を参考に描写を考えたのかなと思うんだけど、そういうのも二次創作の強みではあるね。
作者さんが小説に関してどのくらい習熟しているのか私は知らないけど(少なくとも私は初めて読む)、あまり書いたことがない人の場合、情景描写っていうのは結構ハードルが高い。
初心者ほど一人称に流れる理由の一つもその辺にあったりする。
一人称の場合、主人公視点であるが故に、事細かな情景描写をしてしまうとかえって不自然になってしまうことがある。
だけど、主人公の視点で主人公の言葉であれば、情景描写って最低限でもあんまり不自然にならない。
……まあ、本作品でも情景描写はそんなに多い方ではないんだけどね。
体裁としては三人称だけど、かなり一人称、と言うかアーテルに寄った視点で描かれてる。
もちろん、一人称寄りの三人称ってのは全然悪くない。
そういう手法もあるし、私自身、一人称寄りに三人称を書くことも多いしね。
これは必ずしも誉め言葉ではないんだけど、他のシーンでの情景描写が少ないからこそ、研究所の情景描写が引き立つってのもあるね。
慣れてくれば、情景描写なんてものはそこまで気にして書くほどのものでもないんだけど、苦手だなって思うなら、いっそアーテルの一人称にしてしまうのも手。
と言うか、この作品に関してはそれもアリかなと思った。
ちょっと高度な話になるけど、この作品、必ずしも三人称である必要がない。
アーテルが仲間からどんな感じで慕われているか、って辺りは、アーテルの一人称だと書きづらいかなって思うけど、それ以外は違和感なく一人称で書き換えられそう。
三人称と一人称は、それぞれに特徴があって、一長一短でもある。
その辺が良くわからない内は「とりあえず三人称」でOK。
原則として、「一人称の方が難しい」から。
ただ、今回の作品に関しては一人称でもいい。
そっちの方が、より自然にダイレクトにアーテルの気持ちや考え、感情が表現できるからね。
で、そんなアーテルの感情や思考が、今回の作品では凄く大事なので、一人称で書いてもいいのかなって思ったわけ。
描写の話をもう少しするよ。
アーテルの描写がもう少し欲しかった。
これ、アーテル=BK/Aterという暗黙の了解があるから、知ってる人には問題ないんだけど、知らない人にはアーテルの外見がほぼ伝わらない。
まあ、投稿サイトに投稿してるとかではなく自分の家でやってることだから、読む人も「わかってる人」だけだと思うし実害はないと思うよ。
ただ、それでも外見の描写をすることにはメリットがある。
例えば、ブログのファンとか実際のフレやチムメンさんなんかは、ゲーム内で見てるわけだ。外見を。
でもそれは視覚的な話であって、文章的な話じゃない。
ここでな、かっこよく言葉でアーテルの外見や仕草を描写してみ?
全然違う魅力が出るよ?
目で見るヴィジュアルではなくて、言葉を通して相手の頭の中に叩き込む像ってのは、全く性質が違う。
コツは、「最も特徴的な外見的要素を二つから三つ程度強調する」。これだけでそれっぽくなる。
必ずしも、いちいち細かく全てを書き込む必要はない。
で、主人公の描写に関してはもう一つアイディアがあって。
私みたいに「文芸」としてのこだわりが強くないのなら、言葉による外見の描写をせずに、かっけぇ挿絵的SSを貼るってのも手だよ。
シーンに合わせたポーズや構図、ロケーションで挿絵用SSを貼りながら小説を書けば、これはこれで面白いと思うな。
まだまだ続くよ。
残念ながら、苦言です。
まず、誤字脱字。
これに関しては……作者さんの普段が普段なので、しょうがないかなと思う。
それに、今回の作品に関しては致命的と思える誤字はなかった。
「ああ、〇〇の間違いかな」って、読んでる人がすぐに気づくレベル。
この程度なら(気を付けて欲しいという気持ちは変わらないけど)、いちいち指摘するようなことでもない。
正式に校正を依頼されてるわけでもなし、スルーでいいわ。
ただ今回に関しては、誤字より気になるものがあった。
引用するよ。
『全て』を手にした代償は防御手段が少ないとだけ。
その代償程度であれだけの力を出すヒーローにアーテル始めとした複合職たちは不信感を募らせる。
割りに合わないのだ。
誰よりもバリエーションに飛んだ複合職。
誰よりもその代償に向き合って苦難してきたというのに、虚空機関(ヴォイド)の技術でクリアできるのといのか?
嫉妬ではない。大丈夫なのか?という危惧。
「いちいち指摘しない」って言った以上指摘はしないけど、上記引用の中だけでも誤字脱字変換ミスの疑いがある個所が四つあります。わかるかな?
致命傷と思えるものがないからスルーしてるけど、誤字脱字っていうものは、場合によっては「伝えたいことが伝わらない」という事態を招くので、気を付けるに越したことはないです。
特にキミはなw
いや、まあ、案外笑い事ではないんだけどね。
小説であれ日常会話であれ、誤解は少ないに越したことはないよ。
ちょっとした言葉の間違いが、人と人との関わりの中に大きな陰を落とすこともあるから。
この追記もな、この記事の中にある誤字脱字の修正のついでに書いているんだよ。
細かいことのように思えるかもしれないけど、ちょっと看過できなかった。
ここでの「割に合わない」が物凄くわかりにくい。
本来はハイリスクローリターンに対して使われる言葉。
こんな少ない給料でこのきつい仕事では割に合わない、みたいな。
では、ここではどんなハイリスクとローリターンがあるのか。
直前に「複合職たちは不信感を募らせる」とあるから、「割に合わない」と思っているのは「複合職たち」に間違いないと思う。
では、複合職たちは何に対して「割に合わない」と思っているのか。
もし、ヒーローに対して「そんな少ない代償であれだけの力を出すのは釣り合わない」という意味なら、これは「割に合わない」の誤用になる。
……文章的には、そう解釈できるテキストなんだよなあ。
別の解釈をするなら、「俺たちがこんなに大きな代償を支払ってこの程度の力(火力)なのに、ヒーローのあの力は何なんだ。これじゃあ(俺たちとしては)割に合わないよ」という意味にも取れなくもない。
ただ、後者の解釈である場合、かなり嫉妬じみた印象を受ける(ただし私の主観である)ので、後述の「嫉妬ではない」に反する。
と、まあ、こんな感じの解釈の多様性と矛盾が見られるのね。
もし前者の解釈であるのなら、これは「割に合わない」という言い回しを別の適切な言い回しに換えれば済む。
が、後者の場合、「割に合わない」自体が嫉妬じみた印象を与えかねないため、「大丈夫なのか?」という心配する気持ちから説得力を減らす可能性がある。
もちろん、読む人によっても解釈は変わり得るし、誰もが私と同じ見方をするとは限らない。
何とも言えない部分はあるが、いずれにしても「割に合わない」という言い回しは他のものに換えた方が良いと感じる。
……うん、「割に合わないのだ」自体を削ってしまっても影響は少ないと思えるね。
細かい話を始めたらきりがないから、この辺でやめることにする。
文章的な部分では粗削りではあるものの、総じて非常によくできた作品だと思います。
悪くない完成度です。
命の重さ、魔法戦士の在り方。
そういうものを考えさせられますね。
構成と展開には素人離れした光るものもあり、もしこれからも書き続けることがあるのならば、非常に楽しみな作者さんでしょう。
もし書くのであれば、この感じで前へと進んで欲しいと思います。
あ、でも、私が感想書くのは今回だけだよ。
というわけで、この辺で終わりといたします。
今度こそ、このブログは終わりですよ。
ホントにホントの最終回。
じゃ、縁があれば、またどこかでお会いしまょう。
貴方の前途に幸多からんことを。
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