PSO2魔法戦士研究レポート。と、テキトーな日記。

魔法戦士が行く!

【PSO2小説】AMR アークスミステリー調査班

久々に小説書きました。
今回もバカ話です。

ただし、今回の小説は以下の点に注意してください。

  • ラッピーが大好きな方は、不快に感じるかもしれません
  • テンポと読みやすさを重視したため、後半は台詞のみで構成されています
  • あと、完全に私の創作です。実際のPSO2のストーリー、キャラクター、設定等とは一切関係がありません









 アークスシップ第534896番艦、への16号。
 週刊アークスタイムズ編集部は、そこにあった。
 新惑星、新エリアの情報から、最新ファッション、レアアイテム、果てはヒューイとクラリスクレイスの関係を煽り立てるような情報まで網羅する総合アークス情報誌である。しかし、編集部が田舎のアークスシップで情報も遅いとなれば、三流情報誌とそしられても仕方のない状況でもあった。

 そんなアークスタイムズだったが、一つだけ、他の追随を許さないコンテンツがあった。
 新惑星で発見された不気味な予言、アークスシップで目撃される幽霊、秘密結社の陰謀や、まことしやかに噂される呪いのビデオの謎を追う。
 どんなに怪しまれても、どんなに人類滅亡の警鐘を笑われても、彼らの情熱は冷めることを知らない。

 そのプロジェクト名は。



AMR アークスミステリー調査班







「ケバヤシさん、ちょっと気になる投書があるんです」
 AMRの調査員、モナカの一言が、その事件の始まりだった。
「何がどう気になるって言うんだ、モナカ?」
 横から割って入ったのは、オカルトに対してどちらかと言うと懐疑的なカワヤである。
「丁度いい。カワヤさんも一緒に見てみてください」
 モナカは自分の端末から、AMRに投稿されたメールをカワヤとケバヤシへ転送する。
 カワヤはすぐさま立体映像で表示されるモニタに目を走らせる。が、その表情は苦笑に変わった。
「ラッピー限定ブロックだあ? おいおい、何の冗談だよこれは」
「カワヤさん、気持ちはわかりますけど、最後まで読んでくれませんか?」
「って言ってもなあ。よくある眉唾な都市伝説だろ、こりゃ。わざわざ俺たちが調査に乗り出す価値があるとは思えねえ」
「しかし……」
 モナカが反論しかけた時、上座のデスクに陣取る男の眼鏡がきらりと光った。
「カワヤ。今回は、これで行くぞ」
 AMRリーダー、ケバヤシである。
「おいおい、ケバヤシまで何言ってるんだよ。モストラダムスの予言とかならともかく、ラッピー限定ブロックだぜ? 怪しさ大爆発だろうが」
 呆れるカワヤを無視して、ケバヤシはモナカに鋭い眼光を向ける。
「モナカ……似たような内容の投書がかなりの数、投稿されているようだが?」
「さすがケバヤシさんですね。仰るとおり、たかが都市伝説と笑うには多すぎる数に上っているんです」
 言いながら、モナカはキーボードの上で指を走らせた。既にモナカによってフィルタリングされた投書が次々と他の二人の端末に送られる。
「あのなあ、二人とも。数が多いからって、そんなのは都市伝説の常だろ? 噂が噂を呼んでいるだけだって」
 カワヤは既に、まともにモニタを見てはいない。モナカは更に何かを送信してきた。
「ところが、ですよカワヤさん」
 カワヤの顔色が変わる。
「これは……?」
「ご存知の通り、ラッピー限定ブロックというのは、ラッピースーツを着た者だけが迷い込むという謎のブロックです」
 そこには、ラッピースーツを着た者しかいないと言う。そして、別のブロックに移ろうにも移ることができず、一生をそのブロックで過ごすことになる。脱出の方法は一つだけ。ラッピースーツを脱ぐことである。しかし、ラッピー限定ブロックに入ったが最後、それは二度と脱ぐことができないと噂されている。
 モナカの説明を、ケバヤシが継いだ。
「普通に考えれば、出られなくなるブロックなのだから、そんな話が広く流布するはずはないな」
「当たり前だっつーの」
 笑い飛ばしながらも、どこかカワヤの声は強張っていた。彼のモニタには、何が映し出されていると言うのか。
「最近、アークスの行方不明者が増えているという統計が出ている」
 ケバヤシの送信した統計データが、カワヤの端末にも送信された。
「それに加えて、モナカの見つけてきたこのニュースだ」
 小さな地方新聞の小さな小さな記事だったが、鮮明なカラー写真が付いていた。

 ──惑星ナベリウスに謎の生物の死骸

 所々羽をむしられたラッピーの死骸。一見そのように見える。
 しかし問題は、むしられた後の地肌だった。
 死骸であるためか土気色をしているが、それは、人間の肌に酷似していた。
「まさか……おいおい、まさかだろ!」
 カワヤの声が、どこかかすれている。
「それを調べるのが、俺たちの仕事だ」
 ケバヤシの眼鏡が、きらりと輝いた。





FILE072 ラッピー限定ブロックの謎を追え!







 AMRの調査が開始された。
 モナカは投書をした投稿者を取材、カワヤはラッピーの生態に詳しい学者のG氏(仮名)の元へ、ケバヤシは記事を掲載した新聞社へと赴いた。

「戻りましたよ」
「おう、お疲れさん」
 日も暮れようかという時間帯にモナカが編集部に戻った時、そこにケバヤシの姿はなかった。
「ケバヤシさんはまだですか?」
 カワヤは憮然として手を組む。
「あいつ、いっつも遅いよな」
「しょうがないですよ。例の新聞社はここより田舎にありますからね」
「取材と称して、遊んでるんじゃないの~?」
 いやらしい笑みを浮かべるカワヤ。モナカは苦笑するしかない。
「自分を基準にして考えないでくれるか?」
 まるでタイミングを測ったかのように、ケバヤシが編集部のドアを開ける。
「な、なんだ、いたのかよ」
「お疲れ様です、ケバヤシさん」
 答えるように手を軽く上げると、ケバヤシは自分のデスクに着いた。
「じゃあ、早速報告してもらおうか。モナカ、どうだった?」
「あ、はい」
 モナカの端末が起動する。
「ほとんどの投書は都市伝説の例に漏れず、『友達の友達が』で始まる話なので、信憑性はいまひとつです。ですが、少ないながらも直接の知り合いが行方不明になるという体験をしている人もいました」
「穏やかじゃないねえ」
 カワヤが肩をすくませる。モナカは苦笑で答えただけだった。
「いずれも共通するのが、『ラッピースーツを着たままブロック移動したら、そのままいなくなった』というものです」
「なるほど。そんなことが多く発生するようになれば、あんな都市伝説が噂されるのも頷ける」
 険しい表情で、ケバヤシは頷いた。
「でもよ、たったそれだけであんなに具体的な都市伝説になるものなのか?」
 カワヤは上着のポケットからタバコを一本取り出し、口にくわえる。
「そこは……確かに疑問ですよね。パラレルエリアに閉じ込められて出られなくなる、くらいならまだしも、ラッピー限定ブロックっていう点が妙に具体的過ぎます」
「それも今後の課題だな」
 ケバヤシがキーボードを操作する。メモを取っているようだ。
「とは言え、都市伝説の元を辿るというのは、ちょっと厄介だな」
「人の口から口へと語り継がれ、どこでどんな改変がなされているかもわかりませんからね」
「それはさすがに無理だろう……」
 カワヤはタバコに火を付ける。ゆらゆらと、紫煙が立ち上った。
「じゃあ、次は俺の番だな。レアエネミー研究者の第一人者であるG氏なんだが、彼も例の新聞記事は知らなかったらしい」
 ケバヤシの眉がぴくりと上がる。
「待て。それは本当なのか?」
「ああ。G氏、驚いてたぜ」
 中空に、紫煙の輪が浮かぶ。モナカは少し咳き込んでから、顎に指を当てた。
「それも妙な話ですね。あれほど研究熱心な人が、地方新聞の小記事とは言えレアエネミーの情報を逃していたなんて」
「それに関しては、俺の調査と関係がありそうだな」
「ケバヤシ、どういうことだ?」
 タバコの灰がカワヤの膝に落ちたが、カワヤは気づいていない。
「結論から言う。情報封鎖の痕跡が見られた」
 カワヤとモナカの目が大きく見開かれたのは同時だった。
「な、なんだって?」
「後で詳しく話す。それよりカワヤ、例の写真をG氏はどう見た?」
「あ、ああ」
 カワヤは慌ててキーボードに指を走らせる。
「少なくとも、自分が今までに見たことのないラッピーだったって話だ」
「そもそも、ですよ?」
 モナカが口を挟む。
「ラッピーの死骸なんて、見たことある人いるんですか?」
 カワヤは天井を見上げた。タバコの火は、既にフィルターを焼き始めている。
 ケバヤシも天井を見上げた。眼鏡を眉間でくいと持ち上げる。
「……ないな。そんな話、聞いたことがない」
 二人の声がハモった。
「まあ、そのこともあるだろうな。G氏も、あの写真が本当にラッピーかどうかは疑わしいって言ってたぜ」
「つまり……あの写真はラッピーの偽物ってことでしょうか?」
「あるいは、作り物か」
「そうだぜケバヤシ、その辺は、お前が取材でハッキリさせているんだろうな?」
 カワヤが身を乗り出す。
 ケバヤシは何も言わずに、データを二人の端末に送信した。
「なんだ、これ。雑誌の記事か?」
「……新聞社が叩かれていますね。ガセネタ……? 謝罪までしてる……?」
「このガセネタ騒動そのものが僻地のシップで起こったことであり、ほとんど話題にはなっていない」
 ケバヤシはおもむろに立ち上がり、給湯室へ入っていった。
 やがて、トレイに三人分のコーヒーを乗せ戻って来る。
「ありがとうございます」
「わりぃね」
 自らもカップに口を付け、少しだけ啜る。
「そもそもいつ誰がどこで発見したものなのか。その死骸はその後、どこへ行ったのか?」
「何かわかったのか?」
 静かに、ケバヤシは首を横に振る。
 ナベリウスで死骸を発見したというアークスとは連絡がつかず、死骸はアークスの研究機関を名乗る黒服の男が持ち去った。しかし、アークスに問い合わせてもそのような事実はないと言う。
「その男、本当にアークスだったんでしょうか?」
「わからん」
「発見者と連絡がつかないってのは、どういうことなんだよ?」
「よほどプライベートな情報でない限り、アークスの情報は容易に検索できることは知っているな?」
 カップを手に持ちながら、二人が同時に頷く。
「そんなアークスは、いなかった」
「どういうことだ?」
「言ったままだ」
 三人が押し黙る。カワヤは二本目のタバコに火を点けた。カップから立ち上る湯気とタバコの紫煙が、中空に幾何学模様を浮かばせては消えていった。
「俺たちはもしかしたら……大変な陰謀に近付こうとしているのかもしれない」
 ケバヤシの呟きが、暗い部屋の空気を更に重いものにした。





 翌日、ケバヤシは会社に姿を見せなかった。
 その翌日も、更にその翌日も。
 編集長のデガラシは何かを知っているようだったが、「心配するな」としか言わなかった。

 カワヤとモナカにとって、悶々とした日々が続く。

 そして、一週間が経った。





 唐突に、彼は編集部に現れた。
「ケバヤシっ、お前、今まで一体どこで何を……!」
「そんなことよりカワヤ、大変なことがわかったんだよ。モナカはいるか? すぐに会議室に集合だ!」
 わけもわからないまま、カワヤはモナカを呼びに走った。



 狭い会議室で、一週間ぶりにAMRが揃った。
「一週間もすまなかったな。お前たちが思っている通り、俺はラッピー限定ブロックについて調べていたのさ」
 カワヤが肩をすくませる。
「……ったく、そんなこったろうと思ったぜ」
「でも、無事で何よりです」
 モナカの微笑には、安堵が広がっていた。
「……俺たちに何の相談もなくそんなこととをやっていたからには、何か掴んだんだろうな?」
「もちろんだ」
 ケバヤシは胸を張る。
「まず俺は、鍵はアークスが握っていると睨んだ」
 二人の顔に浮かぶ疑問符をよそに、ケバヤシは話を続ける。
 ケバヤシが目を付けたのは、周到なまでの情報操作と情報封鎖だった。そんなことができるのは、やはりアークスという組織以外に考えられない。そこでケバヤシは、アークスを洗いなおすことにしたのだ。
「でもよ、ケバヤシ。アークスは生まれ変わったんだろ? 過去の悪事なんかも全部公開されたじゃないか」
「確かにな。だが、ルーサーが、虚空機関がなくなって、シャオとウルクがトップに立ったというだけで、本当に全ての膿が出し切れると思うか?」
「そのための、情報公開だったはずです」
「ああ、その通りだ」
「だったらどうして」
 カワヤが腰を浮かしかける。ケバヤシは冷静に、それを手で制した。
「アークスの中にはまだ、膿が残っているのさ」
「どういうことですか?」
「まさか……」
 カワヤが青くなる。
「つまり……虚空機関はまだ生きているということだ!」

「な、なんだってー!」

「確かに、『虚空機関』という組織はなくなった。完全にな。だからと言って、そこにいた研究員の全てが一緒に粛清されたわけではあるまい?」
「そんなことをしたら、それこそルーサーと同じです」
「ああ。だから、新しいアークスはそんな非道なことはしなかった。だからこそ、残るんだ。残党がな」
「元研究員たちが、今でも怪しい研究を続けているってことか?」
「少し違う。よく考えてみろ。虚空機関を含む、アークスの全ての情報が公開されたんだぞ? ならば、元研究員でなかったとしても、その意志を継ぐことは可能ということになる」
「それまで何も知らなかった一般の研究者やアークスまでもが、虚空機関の追い求めていたものを知ることになる……そういうことですね?」
「虚空機関の思想に触れた誰かが、虚空機関の後を継ごうとしているのか……。情報の公開が仇になったって言うのかよ!」
「残念ながら、そういうことになる」
「……なんてこった」
「全ての情報は公開されている。元研究員と接触することも容易だ。ならば、虚空機関を継承する秘密組織が結成されても、なんら不思議はない」
「それで、ケバヤシさん。その組織とラッピーが、一体どう繋がるって言うんですか?」
「かつての虚空機関は、フォトナーになりたがっている研究者を、ルーサーが利用する形だった。もちろん、ダーカー殲滅のための研究もあっただろう。だが、ルーサーの思惑はともかく、組織としての目標はフォトナーになることだったはずだ」
「つまり、どういうことなんだよ?」
「彼らが夢見ていたものは……不老不死さ。フォトナーは、身体を交換することで事実上の不死を手に入れていた。現に、俺たちの知るルーサーのあの姿も、彼の元々の姿ではない。確か、初代カスラの肉体を使っていたはずだな」
「それも、きちんと公開されている情報ですね」
「そうだ。アークスでなくとも、不老不死に憧れる者は多い。それほど、魅力的な研究なのさ」
「もったいぶるなよケバヤシ。それとラッピーがどう関係するって言うんだよ?」
「一週間前を思い出してくれ。俺たちはラッピーについてどんな話をした?」
「……あっ!」
「な、なんだよモナカ? どういうことなんだよ!」
「カワヤさん……ラッピーの死骸、見たことありますか?」
「……あっ! まさか!」
「惑星探査に降り立つアークスに、緊急で課せられる任務の中に、ラッピーを捕獲する任務がある。こうして捕獲したラッピーを使って、不老不死のための様々な実験が行われていたのさ」
「その任務は……ルーサーの虚空機関の頃から既にありましたね」
「ナヴ・ラッピーも捕まえてたみたいだよな」
「もちろん、それは虚空機関の指示によるものだ。しかし、虚空機関がなくなったはずの今でも、この任務はなくなっていない。虚空機関を引き継ぐ組織が既にアークスの中に巣食っている動かぬ証拠だろう」
「そんな……そんなことって……」
「信じられねえが……信じるしかなさそうだな」
「だが、彼らはまだ不老不死の研究に成功はしていない。一定の成果を収めてはいるようだがな」
「一定の成果?」
「……クロームドラゴンさ」
「なっ、ど、どうしてクロームドラゴンが!」
「その前に話しておかなければならないことがある。全ての情報が公開されたというアークスの公式発表、そこにも既に嘘がある」
「まさか、シャオやウルクまでもが?」
「そう判断するにはまだ早いがな。だが、彼らがラッピーとクロームドラゴンの関係を隠しているのは事実だ」
「その関係ってのは?」
「時空移動さ」
「時空移動?」
「ラッピーが超時空エネミーと呼ばれているのは知っているな?」
「ああ……。距離も時間も無視して、あらゆる惑星に現れるからだろ?」
「そうか! カワヤさん、クロームドラゴンにも似たようなの能力がありますよ!」
「その通りだ、モナカ。そして知っての通り、クロームドラゴンは虚空機関が造り上げた造龍。ということは……わかるな?」
「そうだったのか……。つまり、クロームドラゴンの存在自体が、虚空機関がラッピーを研究していたことの証拠みたいなものってワケか」
「もう一度言うが、ラッピー捕獲の任務は現在でも続けられている。俺は、それこそが最も恐ろしいことだと思う」
「じゃあケバヤシ、もしかして、ラッピー限定ブロックっていうのも……?」
「そうだ。ラッピー限定ブロックは、不老不死研究の一環だったのさ!」

「な、なんだってー!」

「ちょっと待てよ、ケバヤシ。ラッピーを研究して不老不死を手に入れようって話はわかる。だけど、ラッピー限定ブロックでアークスが行方不明になる話とどう関係があるんだ?」
「カワヤ、例えばお前が不老不死研究に参加しているとしよう。さて、研究の結果、こうすれば不老不死になれるんじゃないかって方法が見つかったとしよう。カワヤ、お前だったらそれをどうやって確かめる?」
「どうって……死ぬか死なないかなんて、殺してみないとわからないじゃないか」
「そんな! そんなことって! 怖い……ケバヤシさん、僕はとても恐ろしい」
「おいおいモナカ、大袈裟だな。ラットとかで実験すればいいだろ?」
「ラットで上手くいったからって、人間でも同じように上手くいくという保障がありますか?」
「……ないわな」
「なら、人間で実験するしかありません」
「おいおいおいおい……それって……つまり……」
「おそらく、既に研究はかなりのところまで進んでいるはずだ。その成果の一つが、例の新聞記事だ」
「ってことは」
「あの人肌のような地肌は……」
「そう。あれは、実験中に何らかのトラブルで研究施設を逃れた実験体の成れの果てだったのさ!」

「な、なんだってー!」

「あれが実験体ってことは……まさか、人間とラッピーを融合させているとでも言うのか?」
「それはあくまで途中段階だろう。最終的には、完全な人間の姿での不老不死を目指しているはずだ」
「でも、あれは死骸……いや、遺体だったんですよ? つまり、不死の方法はまだ完成していない?」
「まだまだ、犠牲者は出るだろう」
「僕らは……何ができますか?」
「ケバヤシ……どうにかならないのか?」
「すまない。アークスの情報管理部は、既に研究機関の手中に落ちている。俺たちが何を喚いても、どうにもならないだろう」
「例の新聞の二の舞になるだけか……」
「何か、何か方法があるはずです。全てを白日の下にさらけ出し、研究をやめさせる方法が」
「俺たちにできることは……ラッピースーツを着ないようにすることだけだ」
「どうして? それは単なる都市伝説じゃ?」
「違うんだよ。あの都市伝説には、ちゃんと意味があったんだ」
「意味? どんな?」
「アークス上層部がキャンペーンと称してラッピースーツを無料で配っているのは知っているな?」
「ああ。それで相場も暴落してたっけな」
「アークス上層部……ラッピースーツ……っは!」
「モナカは気付いたようだな」
「なんだよ、俺を置いていくなよ」
「もしかして、ケバヤシさん。無料配布されているラッピースーツに、何か仕掛けが?」
「それはないだろ。そんなことしたら、すぐにばれるぜ」
「配るラッピースーツ全てに仕込めば、確かにそうだな」
「カワヤさん、全部じゃないんですよ。きっと、ほんの少しだけ、ラッピー限定ブロック、即ち実験場へ誘導する仕掛けの施されたものが混ざっているんです」
「一度それを着てしまえば、自力で脱ぐことはできなくなる。そして、そのスーツはそのままラッピーとの同化を促すプログラムが仕込まれているというわけさ」
「ラッピースーツを着ただけで、ラッピーと同化だって? それじゃ、そのスーツは」
「そう。本物のラッピーの羽毛と、肉が使われている」
「う……え……」
「そして俺は、とうとう一連の事件の黒幕に行き着いた」
「黒幕だって? つまり、虚空機関を引き継いだ組織のトップってことか」
「そうだ。だが、それがわかったところでもうどうにもならない。実験を止めることはできない」
「そんな……」
「今回も、俺たちは何もできなかった……」
「ちっくしょう! 黒幕までわかってるっていうのによ!」
「ケバヤシさん……その黒幕というのは……?」
「いいのかモナカ。それを聞いてしまったら、お前ももう後戻りはできない」
「ここまで引っ張っておいて、そりゃないだろ!」
「僕たちは、一蓮托生のAMRです。何が起ころうと、後悔しません」
「カワヤ、お前はどうだ?」
「ハッ! 舐めるなよ。俺だってAMRだぜ!」
「わかった。お前たちの気持ち、嬉しく思う」
「ケバヤシさん!」
「ケバヤシ!」
「いいか。この実験には、ラッピーが大量に必要になる。そのためのラッピー捕獲任務だ」
「そんなことはわかってるよ」
「ところでカワヤ、全アークスシップの中で、最も肉と関係の深い人物は誰だと思う?」
「そりゃ、あいつしかいねえだろ」
「そうですね。彼女の食材に対する情熱は並々ならぬものがありますね」
「友好関係を築きつつある龍族の肉さえ欲しがるからなあ。恐れ入谷の鬼子母神だぜ」
「それほど食材を欲しがっている彼女が、一つだけ欲しがらない食材がある」
「ケバヤシ、お前……」
「ケバヤシさん、それ以上いけない」
「なぜか? 既に、別口から大量に仕入れているからさ! そして、その肉の用途は、決して料理などではないッ! そう、黒幕の名はッ! フr「な、なんだってー!」
なんだってー!
なんだってー
ナンダッテー
………
……






(おしまい)
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2015-04-26 : ファンタシースターオンライン2 : オンラインゲーム : PSO2小説 : コメント : 2 :
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な、なんだってー!
読みましたw
俺もラッピーが何故死なないかって考えたり、チャットで話題投入良くするので楽しく読ませていただきました(`・ω・´)b
弱点が闇と言うのも気になるとこ…。
まさか深遠なるy… 
冗談はさて置き、ゲバヤシさんの考えは真相なのか明後日の考えなのかがいまいち分からないとこがまた面白いヽ(^o^)丿

PSO2は材料多いからこそ物語として繋げやすいですね。
まさかクロームドラゴンとラッピーが繋がっているとはw
そして最近多いキャンペーンのラッピースーツの謎w

今後も小説書くことがあると思うので、楽しみにしますねwktk

最後に、
「な、なんだってー!」
2015-05-01 15:38 : BK URL : 編集
Re: な、なんだってー!
毎度ありがとうございます。
小説と呼べるほどのシロモノではないですが、読んでいただけただけでもとても嬉しく思います。
その上、コメントまでいただけるのだから、作者冥利に尽きるというものです。

PSO2は材料が多いというのは、まさに仰るとおりだと思います。
最近運営も妄想をプッシュしているようですが、小説でも漫画でも、二次創作という形はまさに妄想の産物。
公式で小説コンテストとかあったら、ちょっと頑張ってしまうかもしれないw

小説は、本当に気が向いた時しか書かないので、次がいつになるかは全くの未定です。
次はもっと面白いものを書けたらいいなと思っています。
2015-05-03 01:01 : 刃渡まつり@作者 URL : 編集
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お知らせ & 独り言

貴方はもう、
独りなんかじゃない。
魔法戦士のたまり場
素敵な仲間が、
貴方を待っているよ。

学ラン、詰襟、ヒャッハー!


今のお気に入り。


せっかくのドゥドゥ弱体なので、ダガーとTマシ新調した上にスキル振り直してツインガンダガー完全リニューアルした。リミブレチェインから何をやるか考え中。暫定でシンフォ→ワルツ→ノクターン。どこまでチェインが乗ってるかはわからん。
尚、ダガーはサイカ・ヒョウリを使用。固有のメギバのおかげでガルミラなしでも空中回復できるぜヒャッハー!
あと、ツインガンダガーはやっぱりかっこよくて楽しいです。


どうもアイテムパックが窮屈だなと思って、ちょっと内訳を確認してみた。

武器:13
ユニット:3
リング:2
コス:38(パーツ含む)
武器迷彩:13
ギャザ消耗品:4
雑貨(ムーンその他):9
合計:82/150

所持品の半分以上がオシャレ用品(コス+迷彩)であると判明。最大値の150から比較しても、3分の1がオシャレ用品。だって、女の子だもんっ!(ぶりっ子訓練中)
地味に武器の多さも見逃せないが、これくらいはアークスの嗜みとしては普通だよね。


やっとBrのクラスキューブ終わったー! 次はBoだぜ。武器も新調したし、久しぶりだから少し楽しみなのです。


健康って大事だなって、ホント思う。身体壊したら何にもできないからね。この身体さえ回復してくれれば、ブログの再開だってできるのに。


引退宣言みたいな感じの記事書いてますが、ゲームは細々と続けてます。
しかし、ツイッター封印しただけでもブログ書きたい気分が急上昇するね。いや、元々やる気だけは充分あったのよ。ホント、時間と体力の問題だけ。


ドゥドゥが弱ってたから、新しいブーツとDB買って叩いた。
無心の型がウチの子のプレイスタイルにハマりすぎてて笑うしかない。
リンドクレイの第二潜在とかが無心になったら、ガチで悩むレベル。


リンクページに友の会メンバーnanabachさんのブログを追加しました。

現在、試験的にコメント承認制を解除しています。
ついでに、左側のプラグインエリアに「最新コメント」を追加しました。

リンクページ新設。
それに伴い、グローバルナビゲーションに「リンク」を追加。

サイトをちょっぴり改装。
こういうタイトル画像、やってみたかったんだよね。

「法撃付き武器一覧」
を更新しました。

「法撃付き武器一覧」
を更新しました。

「法撃付き武器一覧」
を更新しました。

「コメント」をクリックしてもコメント欄にジャンプしない不具合を修正。

重たい記事が下がったので、記事の表示件数を元に戻しました。

「法撃付き武器一覧」
を更新しました。

魔法戦士まとめ(EP2)
脱稿しました。
ページが妙に重いので、記事の表示件数を減らしました。

魔法戦士まとめ(EP2)
の執筆中です。

「法撃付き武器一覧」
を更新しました。

「法撃付き武器一覧」
を更新しました。

IEでレイアウトが大幅に崩れていた不具合を修正。
カテゴリリンク、メニューバーに
「魔法戦士と弟子S」を追加。

「魔法戦士と弟子S」第三回
の製作に入りました。
ということを、更新停滞の言い訳にしてみる。
まあ、誰も待ってないけど。

新コンテンツ
「魔法戦士と弟子S」
始めました。
会話文形式の日記になっています。

新しいコンテンツの準備中につき
更新が停滞しております。
ちなみに、予定している新コンテンツは 役に立つものではありません。

「おすすめ記事」
を設置してみたよ。
下↓にあります。

「法撃付き武器一覧」
を更新しました。

ちょっとずつ進めてちょっとずつ更新する予定だった
「ダルスソレイド強化計画」
が完了してしまったので更新。

「ダルスソレイド強化計画」
を、
進行状況に合わせて更新中。

PSO2小説
「モニカにお仕置き」
を掲載。
私の笑いのセンスは
少しズレている、ということを
久々に思い出した。

.
.

ゆっくりしていってね。

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